任意のツールをTrueCryptで安全に持ち運ぶTrueClickt
TrueClicktは、定番の暗号化ドライブツールTrueCrypt用の補助ツールなのだが、動作が非常に変わっている。「任意のツール(例えばメーラーなどだが後述)を暗号化ドライブ内に入れておくことで、万一のノートPCやHDD紛失/盗難時の(メールデータなどの)漏洩を防ぐ」という持ち運びを、快適に行うためのツールなのだ。
TrueCrypt自体の説明に関しては「TrueCryptの暗号化フォルダ&ダミーフォルダ作成で二重隠蔽 :教えて君.net」を参考にして欲しい。
……ということで、以下TrueCryptの基本的な動作を前提にした上で書くが、上記事ではデータファイルの隠蔽にTrueCryptを利用している。ただ、TrueCryptの作る暗号化ドライブは、マウントされている限り通常のHDDと全く同じ。内部に(いわゆる)インストール不要ツールを格納しておいたり、特定ツール(例えばメーラー)が利用するデータフォルダを暗号化ドライブ内としておいたりすることで、データ(例えば受信メールデータ)をノートPCやHDDの紛失・盗難から守ることだってできる。つまり、
- TrueCryptボリュームのマウント
- ツールの起動
- 利用後のツール終了
- TrueCryptボリュームのアンマウント
という流れでTryeCrypt&ツールを利用する訳だ。
TrueClicktは、この作業を簡単に行うためのツール。「TrueCryptで特定ボリュームを特定ドライブレターでマウント(パスワード入力必須)」→「マウント後に特定プログラムを自動起動」→「そのプログラムが終了されたら自動でアンマウント」という処理を、設定ファイルによって自動化することができる。
ツール自体のフォルダ、もしくはツールが利用するデータフォルダをTrueCryptの暗号化ドライブ内へ。OEならオプションの「メンテナンス」でフォルダ位置を指定できる。
つまり、「TrueCrypt暗号化ドライブがマウントされていない限り、そのツールを利用することはできなくなるし、プライベートなデータ(例えば受信メールデータ)をHDD内から直接覗かれる心配もなくなる」という状況を作り出す訳だ。
TrueClicktを作者のページからインストール後、「example.tcx」をコピーしてリネームし、秀丸などのテキストエディタで開く。以下、各行の意味。
- 2行目:マウントするTrueCryptボリュームの本体ファイル位置
- 4行目:TrueCrypt本体のパス(通常は変更不要)
- 6行目:マウントするドライブのドライブレター
- 8行目:マウント後に起動するプログラムのパス(TrueCryptでマウントする暗号化ドライブの中でも外でも良い)
- 10行目:指定したプログラムの終了時に自動アンマウントを行うか否か
このファイルをダブルクリックすると、マウント用のパスワード入力ウインドウが表示される。
パスワードを入力すると自動でマウントが行われ(指定した通りSドライブへマウントされている)、指定したプログラムが自動起動される。このプログラムを終了させると……。
自動でアンマウントが行われる。「ツールを終了させた状態では暗号化ドライブ内のデータ(=ツール自体のフォルダやデータフォルダ)へのアクセスが不能になる」という訳だ。
執筆:tokix (tokix.net)