任意のツールをTrueCryptで安全に持ち運ぶTrueClickt

TrueClickt_00.jpg
TrueClicktは、定番の暗号化ドライブツールTrueCrypt用の補助ツールなのだが、動作が非常に変わっている。「任意のツール(例えばメーラーなどだが後述)を暗号化ドライブ内に入れておくことで、万一のノートPCやHDD紛失/盗難時の(メールデータなどの)漏洩を防ぐ」という持ち運びを、快適に行うためのツールなのだ。

TrueCrypt自体の説明に関しては「TrueCryptの暗号化フォルダ&ダミーフォルダ作成で二重隠蔽 :教えて君.net」を参考にして欲しい。

……ということで、以下TrueCryptの基本的な動作を前提にした上で書くが、上記事ではデータファイルの隠蔽にTrueCryptを利用している。ただ、TrueCryptの作る暗号化ドライブは、マウントされている限り通常のHDDと全く同じ。内部に(いわゆる)インストール不要ツールを格納しておいたり、特定ツール(例えばメーラー)が利用するデータフォルダを暗号化ドライブ内としておいたりすることで、データ(例えば受信メールデータ)をノートPCやHDDの紛失・盗難から守ることだってできる。つまり、

  1. TrueCryptボリュームのマウント
  2. ツールの起動
  3. 利用後のツール終了
  4. TrueCryptボリュームのアンマウント

という流れでTryeCrypt&ツールを利用する訳だ。

TrueClicktは、この作業を簡単に行うためのツール。「TrueCryptで特定ボリュームを特定ドライブレターでマウント(パスワード入力必須)」→「マウント後に特定プログラムを自動起動」→「そのプログラムが終了されたら自動でアンマウント」という処理を、設定ファイルによって自動化することができる。

TrueClickt_01.jpg
ツール自体のフォルダ、もしくはツールが利用するデータフォルダをTrueCryptの暗号化ドライブ内へ。OEならオプションの「メンテナンス」でフォルダ位置を指定できる。

つまり、「TrueCrypt暗号化ドライブがマウントされていない限り、そのツールを利用することはできなくなるし、プライベートなデータ(例えば受信メールデータ)をHDD内から直接覗かれる心配もなくなる」という状況を作り出す訳だ。

TrueClickt_02.jpg
TrueClicktを作者のページからインストール後、「example.tcx」をコピーしてリネームし、秀丸などのテキストエディタで開く。以下、各行の意味。

  1. 2行目:マウントするTrueCryptボリュームの本体ファイル位置
  2. 4行目:TrueCrypt本体のパス(通常は変更不要)
  3. 6行目:マウントするドライブのドライブレター
  4. 8行目:マウント後に起動するプログラムのパス(TrueCryptでマウントする暗号化ドライブの中でも外でも良い)
  5. 10行目:指定したプログラムの終了時に自動アンマウントを行うか否か


TrueClickt_03.jpg
改行コードがLFな点に注意。つまりメモ帳では編集不能だ。

TrueClickt_04.jpg
このファイルをダブルクリックすると、マウント用のパスワード入力ウインドウが表示される。

TrueClickt_05.jpg
パスワードを入力すると自動でマウントが行われ(指定した通りSドライブへマウントされている)、指定したプログラムが自動起動される。このプログラムを終了させると……。

TrueClickt_06.jpg
自動でアンマウントが行われる。「ツールを終了させた状態では暗号化ドライブ内のデータ(=ツール自体のフォルダやデータフォルダ)へのアクセスが不能になる」という訳だ。

執筆:tokix (tokix.net)

2009年02月19日 02時03分
©教えて君.net All Rights Reserved.