本当に使えるのはどっち!? イーモバイル・WiMaxがガチンコ対決
モバイルデータ通信の2強といえば「イーモバイル」と「WiMax」。しかしこの両者、なかなか優劣がはっきりせず、「WiMaxのほうが速い」「いや、実用的なのはイーモバイルだ」と、様々な意見が噴出している。そこで、どちらが本当に使えるモバイルデータ通信なのか、都内各所で計測してガチンコ対決させてみたぞ。
スマートフォンがテザリングに対応しはじめたとはいえ、やはり大容量のデータ通信の主役は「イーモバイル」と「WiMax」。熾烈な速度競争を繰り広げているこの2社は、下り最大で40MB以上という超高速サービスを提供中。ADSLに匹敵する快適さを、モバイルでも利用できるようになっている。
しかし、この40MB以上という数値はあくまで最大値。普段の混雑した回線状況ではこんな速度はでないし、場所によっても電波の受信状況は大きく異なってくる。
そこで、イーモバイルとWiMax、両者の最新のモバイルルーターを使って、都内各所で実際に速度を計測。どちらが本当に使える大容量モバイルサービスなのか、ガチンコ対決させてみた。
調査で使用したのは、イーモバイルの「PocketWifi」(画像左)と、WiMaxの「AtermWM3500R」(画像右)。どちらも、パソコンとは無線LANで接続する「モバイルルーター」と呼ばれる製品だ。この2台で都内各所からインターネットに接続し、通信速度を計測してみた。計測には「SPEEDTEST.NET」を利用。実際の利用を想定し、パソコンとモバイルルーター間は無線LANで接続した状態で計測している。
計測を行ったのは、オフィス(席と窓際)、トイレの中、ビルの屋上、地下鉄のホーム、主要駅の喫茶店内と、ノートパソコンを使っている人が多い場所を選んだ。
スペック上の数字ばかりが話題になる中、実際にモバイルを使う場所で、本当に快適に利用できるのはどちらのサービスなのか、この対決で明らかにするのだ。
■ ガチンコ対決その1: オフィスの机の上で計測する
まず、秋葉原にあるオフィスの筆者の机の上で、受信状況を計測してみた。この机は窓から4mほど離れた距離にあり、標準的な配置といえる。この場所でイーモバイルとWiMaxでインターネットに接続して速度を計測する。果たして結果は……?(計測時刻:14:00)
・イーモバイル ・WiMax
結果はイーモバイル(左)の勝利。窓からの光が充分に届く距離で、そう奥に引っ込んだ印象はないのだが、WiMaxは性能をほとんど発揮できず、イーモバイルの5分の1程度の速度となっている。
■ ガチンコ対決その2: オフィスの窓際で計測する
遮蔽物のない広い空間で威力を発揮するというWiMax。ならばということで、秋葉原のオフィスの窓際1cmの距離に受信機を置いて計測してみた。もっとも、こんな場所でネットを利用する人はかなり稀なはずで、いるとすれば文字通りの「窓際族」くらいものだろうか。(計測時刻:14:30)
・イーモバイル ・WiMax
WiMax(右)の勝利。窓際にモバイルルーターを置いた状態であれば、イーモバイルを上回る転送速度をはじき出すことが明らかに。しかし、ネットに繋ぐときに窓際にモバイルルーターを持っていくというのは不便。文字通り、窓際に席があって、そこから動かないような人にしかオススメできない。
■ ガチンコ対決その3: トイレの個室の中で計測する
仕事に疲れたときはトイレで一服、というサラリーマンは多いはず。トイレの個室にこもってスマホで遊ぶのが数少ない楽しみという人もいるだろう。そんなトイレ派にとって、トイレの個室のネット環境は重要事項。ここでモバイルルーターが使えれば、快適な息抜きになりそうだが……?(計測時刻:16:00)
・イーモバイル ・WiMax
イーモバイル(左)の圧勝。WiMaxは速度以前に、電波を受信することができなかった。窓から離れると転送速度が大きく減退するという特性を持つWiMax。建物内部の奥まった場所にあるトイレの、さらに個室の中ともなれば、完全な圏外になってしまうのだ。
■ ガチンコ対決その4: 高いビルの屋上で計測する
都心で開けている数少ない場所といえば、高いビルの屋上。危険防止のため、あまり開放されていないが、ここなら障害物がほとんどないため、電波の受信には最適な環境のはず。特に遮蔽物に弱いWiMaxには、この上なく有利なシチュエーションといえる。秋葉原のビルの屋上で速度比較してみたぞ。(計測時刻:16:00)
・イーモバイル ・WiMax
WiMax(右)の勝利。遮蔽物のない空の下ではWiMaxは性能をフルに発揮し、ダブルスコアの大差で圧勝している。イーモバイルも遅いわけではないが、この環境ではWiMaxが強すぎる。昼休みに、ビルの屋上でネットをするような人なら使い道はあるかも。
■ ガチンコ対決その5: 都営地下鉄のホームで計測する
都心では、地下鉄のホームのベンチで、電車を待っている間にパソコンを開いているビジネスマンをよく見かける。移動の合間に事務処理をしたい多忙な人にとって、地下鉄ホームの電波状況は死活問題だ。営団地下鉄・半蔵門線の神保町駅のホームで、通信状況を調べてみたぞ。(計測時刻:15:30)
・イーモバイル ・WiMax
イーモバイル(左)の勝利。営団地下鉄は利用者も多く、ネットを活用したいロケーションではあるが、「屋内に弱い」というWiMaxの弱点が完全に露呈してしまっている。この結果は半蔵門線だけでなく、他の路線でも同様。WiMaxは基本的に地下鉄では利用することができない。
■ ガチンコ対決その6: 喫茶店の奥まった座席で計測する
出歩く機会の多い営業職の人などは、移動の合間、喫茶店に入って一服しながら仕事を片付ける機会も多いはず。そんなとき、喫茶店でネットが使えないとお話にならない。そこで、秋葉原、渋谷、新宿、池袋の駅周辺にあるチェーンの喫茶店を回って、モバイル環境を比較してみた。
■ 秋葉原の喫茶店(計測時刻:17:00)
・イーモバイル ・WiMax
■ 渋谷の喫茶店(計測時刻:12:00)
・イーモバイル ・WiMax
■ 新宿の喫茶店(計測時刻:13:00)
・イーモバイル ・WiMax
■ 池袋の喫茶店(計測時刻:15:30)
・イーモバイル ・WiMax
すべての喫茶店でイーモバイル(左)の勝利。窓際の席に座れればWiMaxにも勝ち目はありそうだが、主要駅の喫茶店は混雑しており、外の景色が見られる窓際の席は競争率が高い。また、長居する場合は椅子がソファーになっている奥まった席の方が居心地がいいし、喫煙席も奥の方にある。そのため、どうしても店内の奥の席に座る機会が多くなり、屋内に強いイーモバイルの安定性が際立つ結果となった。
■ 結論: 実用性を考えるとイーモバイルがベストの選択!
イーモバイルとWiMax、どちらも下り最大40MB超という高速モバイル通信サービスだが、実際のところ40MBの速度が出ることはまずなく、さらにパソコンと接続するのが無線LANである以上、速度は大幅に減退する。そんな環境で速度を比較すると、イーモバイルの方が明らかに安定性に優れており、実用的であるという結論になる。
WiMaxは確かに遮蔽物のない開けた空間では無類の強さを発揮するが、現実問題、パソコンを利用する場面でそのような環境はほとんどなく、地下や屋内でも安定した速度を維持するイーモバイルの方が、利便性は明らかに上だろう。
この結果を見て、イーモバイルを使ってみたいと考えているけど、毎月かかるコストが不安……という人もいるに違いない。
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そろそろモバイルで快適にネットができる環境を整えたい、と考えている人は、 どこでも安定して高速なネット通信ができるイーモバイルを検討してみてはどうだろうか。
《参考サイト》