モバイル通信サービスといえば、イー・モバイルとWiMAXの2強時代。GMO とくとくBBの「イー・モバイル LTE」では、下り最大75Mbpsという固定回線並みのスピードを実現し、WiMAXに一歩先んじている。とはいえ、これはあくまで数字上の話。実際のシーンでの速さはどれだけ違うのか。色々な環境でネットに接続し、速度を比較してみたぞ。

イー・モバイルとWiMAXは、モバイル通信の2強としてライバル関係にあるのは周知の通り。これまで一進一退のスピード対決を繰り返してきた両者だが、GMO とくとくBBの「イー・モバイル LTE」では、下り最大75Mbps・上り最大25Mbpsという固定回線並みの速度を実現。WiMAXの下り最大40Mbps・上り最大15.4Mbpsを大きくリードしている。
しかし、この数値はあくまでベストエフォード（理論上の最大値）であり、実際に使ってみないと、どのくらいの速度が出るかは当てにならない。そこで、「イー・モバイル LTE」とWiMAXのモバイルルーターを色々な場所に持ち込んで通信速度を計測。本当の使い勝手を調べてみたぞ。

計測に利用したのは、「イー・モバイル LTE」の「GL01P」（画像左）と、WiMAXの「Aterm WM3600R」（画像右）。
これらをオフィスやトイレや喫茶店にパソコンごと持ち込んで無線LANで接続。転送速度の計測サイト「SPEEDTEST.NET」でスピードを測っている。

なお、以前の記事でもイー・モバイル（非LTE）とWiMAXを同じシチュエーションで計測しているので、そちらも合わせて参考にしてもらいたい。

・本当に使えるのはどっち!? イーモバイル・WiMAXがガチンコ対決

■ 本気対決その1： オフィスの机の上で計測する

秋葉原にあるオフィスの机の上で転送速度を計測してみる。ビルの7階で窓からの距離は4mほどあり、ごくごく普通の利用環境といえるイー・モバイル LTEとWiMAXで、どれだけ速度に違いが出るだろうか。

・イー・モバイルLTE　　　　　　　　・WiMAX




結果はイー・モバイル LTE（左）の勝利。上り・下り共に安定した速度が出ている「GMO とくとくBB イー・モバイル」対して、WiMAXは使えないほどではないものの、屋内を苦手とする特性が露呈。本来のパフォーマンスからは程遠い数字で終わっている。

■ 本気対決その2： オフィスの窓際で計測する

もっと電波状況のよいオフィスの窓際で計測した場合はどうなるだろうか。特にWiMAXは開けた場所で性能を発揮するので、これならイー・モバイル LTEに迫る数値が出るかもしれない。窓際べったりの状態で計測した結果は果たして……？

・イー・モバイルLTE　　　　　　　　・WiMAX




ダウンロード速度はかなり向上したものの、それでもイー・モバイルLTEには及ばず。注目すべきはイー・モバイル LTEの安定性で、上り・下り速度のどちらもオフィスのデスク上とほとんど変わらない数値。特に上り速度の速さは今までのモバイル通信にはない魅力だ。

■ 本気対決その3： トイレの個室の中で計測する

幾重もの壁に囲まれたビルの中心部にあるトイレの個室。モバイルルーターにとって過酷な環境だが、1人になれる個室空間をこよなく愛し、その中でネットを楽しみたい人もいるに違いない。イー・モバイル LTEとWiMAXは、トイレの個室で力を発揮できるのか……？

・イー・モバイルLTE　　　　　　　　・WiMAX




遮蔽物に弱いWiMAXの弱点が露呈。電波そのものを受信することができなかった。一方、イー・モバイル LTEは、上り速度こそ出ていないものの、下りではオフィスと変わらない快調な数値を記録。悪条件に強いイー・モバイル LTEの底力が存分に発揮された結果となった。

■ 本気対決その4： 高いビルの屋上で計測する

大都市で遮蔽物の影響を受けない空間といえば、高いビルの屋上くらいしかない。開けたビルの屋上でイー・モバイル LTEとWiMAXの速度を調査。前回の調査ではWiMAXがパフォーマンスを発揮した条件だが、LTEと比較するとどうなるだろうか。

・イー・モバイルLTE　　　　　　　　・WiMAX




WiMAXの勝利。だが、イー・モバイル LTEもかなり高い転送速度を記録しており、ネットの使用感は両者ともほぼ変わらない。むしろ、イー・モバイル LTEがアップロード速度もしっかり発揮しており、ここでも上り・下りともに安定した数値となっている。

■ 本気対決その5： 都営地下鉄のホームで計測する

大都市での移動が多い人なら、地下鉄でのネット接続は想定しなければならない条件の1つ。WiMAXがもっとも苦手とする条件の1つだが、イー・モバイル LTEも、地面に遮られる地下はさすがに苦戦が予想される。都内のネット遮断空間、地下鉄での対決はいかに？

・イー・モバイルLTE　　　　　　　　・WiMAX




WiMAXは通信そのものが遮断されてしまい計測不可能。一方、イー・モバイル LTEは、上りこそ本来の数値ではないものの、ダウンロード速度では圧倒的な速度をたたき出している。地下に関しては、イー・モバイル LTEの圧勝といえるだろう。

■ 本気対決その6： 喫茶店の奥まった座席で計測する

外出時のモバイルで困るのが、喫茶店でネットが使えないケースだ。窓際なら問題ないが、奥まった座席に座ると、電波のデットスポットでまったく通信機器が使えないということがままある。入り口から20m以上離れた喫茶店の最奥の席に座って、速度を測定してみたぞ。

・イー・モバイルLTE　　　　　　　　・WiMAX

わざわざ電波の入りにくい席を選んだだけあって、イー・モバイル LTEは苦戦。下りは快適だが、上り速度はかなり減退してしまっている。WiMAXはそれ以上に厳しく、なんとかネットの閲覧には使えるものの、アップロード速度があまりに低く、ファイルの転送などを行うには絶望的な状態。

■ 本気対決その7： 喫茶店の座席でダウンロード速度対決

イー・モバイル LTEとWiMAXの性能差を実感できるように、上の計測を行った喫茶店の最奥の席で、iPhoneアプリのダウンロードにかかる時間を比較してみた。結果は、WiMAX（右）ではアプリのダウンロードからインストールが完了するまでに2分50秒もかかったに対して、イー・モバイル LTE（左）では1分10秒程で完了。ダウンロード速度の差は、如実に使い勝手の違いとして現れている。

■ 結論： 圧倒的な安定性を誇るイー・モバイル LTEで間違いナシ

イー・モバイル LTEの速度は理論値でWiMAXを大きく上回っているので、多くの場面で優位なのは予想通りだったが、理論値ほど大差が付いた場面はない。むしろ、遮蔽物への強さ、電波の届きにくい環境での利便性において、イー・モバイル LTEの強さは際立っている。
もう1つ印象的だったのが、イー・モバイル LTEのアップロード速度だ。多くの状況で、ダウンロード速度と遜色ない速度が出ており、従来の「下りは早いが、上りは遅い」というモバイル通信の常識を塗り替える結果となった。
最近のモバイルはウェブの閲覧だけでなく、クラウドとのデータのやりとりも発生するため、アップロード速度の重要性は増している。Dropboxなどのクラウドサービスを利用しているなら、イー・モバイル LTEの安定したアップロード速度はかなり魅力的だろう。

「GMO とくとくBB イー・モバイル」ではモバイルルーターの価格は無料。毎月の通信費が3860円という業界最安値で利用できる。また、携帯電話やスマホと同様、1年もしくは2年の間、製品を使い続けなければならない「縛り」は発生するものの、「自動更新」が行われないため、以降は好きなタイミングで解約金を支払わずに乗り換えができる（「縛り」や「自動更新」の詳細は『自動更新ナシ！ 1年契約でもOKのイー・モバイル LTE！ GMOとくとくBBの圧倒的な自由っぷりが凄い』の記事を参照）。
今後、LTEが進化し、さらに大容量通信に対応したモデルが登場するかもしれないが、そのときも「GMO とくとくBB イー・モバイル」なら余計な出費なしに最新機種に乗り換えられるというワケだ。

モバイルでパソコンを利用する環境にあるなら、「GMO とくとくBB イー・モバイル」は絶対にオススメ。LTEのモバイルネットワークで、外出先でも快適にネットを利用できるようになろう。

《参考サイト》

・GMOとくとくBB公式ページ イー・モバイルLTE対応プラン

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