Googleブラウザ「Google Chrome」が明日登場でコミック公開
Googleが独自ブラウザ「Google Chrome」を明日リリースする。リリースに先駆け、Chromeプロジェクトの概要を示すウェブコミックが公開されている。Google公式ブログ記事によると「明日100以上の国でリリースされる」とのことだ。
※9/3追記
Googleの独自ブラウザ「Google Chrome」が早朝に公開された :教えて君.net
その後、9/3の早朝に予定通りChromeがリリースされた。主な機能などを超旬ツールで紹介している。
リリースに先駆け、Googleは公式ブログ記事内で英語のウェブコミックの公開をアナウンスした。PDF版も用意されているコミック曰く、今日のブラウザに必要なポイントは五つ。
安定性
タブブラウザは、あるタブがクラッシュするとブラウザ全体が落ちてしまう。Chromeでは、タブごとにプロセスが独立して動くため、あるタブでのクラッシュが他を巻き込むことがない。また、あるタブでAjaxが異常に重くなっている……といった場合でも、他のタブでの作業を継続することができる。メモリ絡みの設計も、最近のFirefoxと同様にスマートで、長時間ブラウザを使い続けていると、タブを閉じているのにメモリ消費量が減らなくなっていく……といった問題は起こらない。
高速性
GoogleマップやGMailなども含めたAjax系サイトを更に高速に利用するためのJavaScriptエンジン「V8」が搭載される。特にCore2Duoなどのマルチプロセッサマシンで飛躍的にパフォーマンスが上がるらしい。レンダリングエンジンにはSafariでも利用されている「Webkit」が採用される。詳細は割愛するが、ここらへんの実装は少しややこしく、「ページのレンダリングがSafariと完全に同じになる」という訳ではない。……となると、新ブラウザの登場時に心配なのは「多くのサイトを正常に表示できないのでは?」ということだが、「Googleがウェブ検索のためにクローリングしている多数のウェブサイトを利用した、機械によるレンダリングテストを繰り返しながら開発した」とのこと。ファーストリリースバージョンの段階でも、少なくとも大半のサイトを正常に表示できるはずだ。また、GoogleDocsなどのウェブサービスをオフラインで利用できる「Google Gears」も搭載される。
安全性
全てのタブが個別のサンドボックス内で動作するため、特定タブで受けた攻撃が他のタブやブラウザ外アプリに影響しない。また、フィッシングサイトやマルウェアなどの情報をGoogleサーバーから受信し、ブロックすることが可能。GMailで迷惑メール相手に行っていることをウェブでも行う、という方向性だろう。「とにかくスピーディーに危険サイトを洗いざらい見つけ出しブラックリスト形式で遮断する」というやり方で、ブラックリストはオープンAPIとして(例えば他のブラウザやツールからでも参照可能なように)公開されるようだ。なお、「ポルノモード」こと「InPrivate」機能を搭載するIE8と同様に、履歴を残さずブラウジングを行うための「Incognito」という機能も搭載されるとのこと。
ユーザーインターフェイス
Googleは、現在の一般的なタブブラウザにおけるアドレスバーとタブの位置関係を批判している。Opera(参考画像)などと同様、「上にタブがあって、タブの下にアドレスバーやページ表示領域が表示される」というインターフェイスが採用されている。「基本はシングルウインドウ、ただし必要に応じて特定タブを独自ウインドウ化する」という操作を快適に行えるようだ。上のスクリーンショットでも確認できるように、新規タブなどに「アクセスする頻度の高いページ/そのスクリーンショット」を表示させることが可能で、ここらへんもOperaの「スピードダイアル」を参考にしている。アドレスバーは、Firefox3と同様に履歴などへアクセスする機能、スマートキーワードによる検索機能なども搭載されており、「Omnibar」と呼ばれるらしい。
オープンソース
Firefoxなどと同様、オープンソースのブラウザとしてリリースされるらしい。
その他、詳細はGoogleの公開したウェブコミックで確認して欲しい。また、TechCrunchの記事では、Chromeの動作を紹介するYouTube動画のスクリーンショット(動画自体は既に削除されているため再生不能)を確認することができる。
執筆:tokix (tokix.net)