わずか10分でシューティングゲームが完成!初心者でもゲーム製作できるコミュニティ「KEROCKETS」が凄い
「ゲームを作ってみたいけど、プログラミング言語をイチから覚えるのは大変そう……」と始める前から挫折気味の人にオススメなのが「KEROCKETS」。ゲームを作って公開できるコミュニティで、プログラミングの知識は一切不要。ほかの人が公開している素材を元に、自分だけのゲームを作れるのだ。
「KEROCKETS」はオリジナルのゲームを製作したり、ゲームの素材や成果物をユーザー同士で共有するコミュニティだ。
「オリジナルのゲームを作ってみたい」という人は多いが、ゲーム製作は非常にハードルが高い。プログラミングの高度な知識は必須だし、キャラクターや背景、アイテムといった素材を製作する技術も必要。さらに、それらを統合した画面やインタフェース、操作といったシステム作りまで考えると、とても素人の手に負える作業ではない。
「KEROCKETS」はそういった敷居の高さを取り除き、本格的なゲームを誰でも気軽に作って公開できるコミュニティだ。ゲーム製作の専門的な知識は一切不要。作業は基本的にドラック&ドロップの操作とパラメーターの変更だけで、ゲームに使う素材は、ほかのユーザーが提供している豊富なパーツの中から好きなものを組みわせればよい。「シューティングゲーム」や「ロールプレイングーム」など、ゲームのジャンルごとに画面構成や操作方法が最初から準備されているので、システム部分の製作でつまづくこともない。
とはいっても、「実際に作るのは大変そう……」とまだ半信半疑の人もいるかもしれない。そこで実際にシューティングゲームを製作してみたぞ。
【 1 】 まずはゲームの開発環境を選択する
「KEROCKETS」を開いてユーザー登録を行う。ユーザー名とメールアドレス、パスワード、誕生日を入力すればOK。ログインに成功したら、ゲーム製作ツール「ケロウェア」を開こう
ゲームの開発環境には、RPGやアドベンチャーゲーム向けの「ケロウェア/スネーク」と、シューティングやアクションゲーム向けの「ケロウェア/リザード」がある。今回の目的はシューティングゲームなので、後者をクリックする
【 2 】 ゲームの部品となる素材をコミュニティから入手
別ウィンドウで「ケロウェア/リザード」が起動する。最初は素材も何もない状態。まずは「素材を探す」をクリックして、ゲームの素材を探しに行こう
素材ページが開く。ほかのユーザーが投稿した素材が大量に公開されているので、その中から自分のゲームに使いたいものを選ぼう。
欲しい素材をクリックして、素材のページへと移動。「素材をストック」をクリックすると、「ケロウェア/リザード」に素材が登録される。
【 3 】 背景画像を貼り付けて宇宙空間を表現する
「ケロウェア/リザード」の画面に戻って、「ストックリスト」に素材が登録されたのを確認しよう。今回は背景、自機、敵ボス、ビームなどを確保した。この素材を組み合わせてシューティングゲームを作るのだ
確保した素材を組み合わせる作業に入る。素材をキャンバスにドラック&ドロップして配置しよう。まず背景の画像をキャンバスに敷き詰める。左側の「マップセレクター」の「L」を動かして画面を移動しながら、背景を貼り付ける(「S」はスタート、「G]はゴール)
【 4 】 自分の機体をスタート地点に配置する
背景ができたら、次は自機をセッティング。「S」のスタート地点を表示させて、自機の素材をドラック&ドロップ
スタート地点に自機を配置できたら、自機の挙動の細かい設定を行う。自機をクリックするとボタンが表示されるので「編集」をクリックしよう
エディット画面が開く。「プレイヤー」をクリックすると、挙動やアニメーションの設定を行える。今回はシューティングゲームに欠かせない「弾」の設定を行っておこう。「弾設定」のボタンをクリック
自機が表示されるので、弾用の素材をドラック&ドロップで登録しよう。弾の素材を配置した場所から弾が発射されるようになる
【 5 】 敵のボスを配置してビームを発射するように設定
今度は敵ボスの設定だ。自機と同じように、「G」が示すゴール付近にドラック&ドロップで配置。「編集」から動きやアニメーションを設定しよう
敵ボス用のビームをドラック&ドロップで登録する。これで自機と弾、敵ボスとビームが登録されて、ひととおりシューティングゲームの体裁が整った
現状、どんなゲームになっているか、「ケロウェア/リザード」の画面の「テストプレイ」をクリックして、実際に遊んでみよう
宇宙空間を自機が飛行。左右のカーソルキーで移動し、スペースキーで弾が発射される。ゴール間近では敵ボスが出現してビームを発射してくるぞ(敵の動き方や操作方法は、初期設定である程度それらしく動いてくれる)。この調子でザコ敵や弾幕、BGMなどを追加して、より本格的なシューティングゲームに発展させていこう
ここまでの作業は、素材を吟味する時間を含めても、わずか10分しかかかっていない。従来のゲーム製作ツール(「RPGツクール」など)と比べても飛びぬけた手軽さで、マニュアルを一切見ずにゲームを完成させることができるのだ。
また、「KEROCKETS」は製作したゲームをユーザー同士で評価しあうコミュニティでもある。4月1日にオープンしたばかりだが、早くも多くのユーザーの手による自作ゲームが大量にアップされている。出来はピンからキリまで玉石混交だが、週間ランキングや月間ランキングで上位にランクインしているゲームの出来は「さすが」の一言。中には「ここまで本格的なものが作れるのか」と感嘆させられる完成度の作品もある。人気作品の一部を紹介しよう。
■ サイドビューラビリンス
横スクロールタイプのアクションロールプレイングゲーム。敵を倒しながら迷宮の仕掛けを解いてゆく。懐かしのファミコンの名作ソフト「迷宮組曲」や「スペランカー」を思わせる、ファミコンっぽいダンジョン構成が印象的。
■ バルキリア
カラフルな色使いと適度な難易度が気持ちいい弾幕型のシューティングゲーム。市販ゲームにも劣らないビジュアルで高い人気を誇る。ちなみに記事中、背景や敵ボスの素材に使ったのはこの作品のパーツ。
■ ど~なつ!
障害物を移動させながらドーナツを目指す「倉庫番」タイプのパズルゲーム。ユルい感じのゲーム名とはかけ離れた、悪夢の中にいるかのような退廃的な世界観が特徴。モンスターをかわしつつ、障害物の動かし方に頭をひねろう。
ほかにも、様々なジャンルのゲームが目白押し。最近はシューティングゲームやアクションRPGだけでなく、音楽に合わせてボタンを押す「音ゲー」なども登場してきており、今後ますます多方面に発展しそうな気配を見せている。
自作ゲームはせっかく作って公開しても、遊んでくれる人がいなくて寂しい思いをすることがあるが、「KEROCKETS」では新作ゲームが公開されると、多くのユーザーが率先してプレーし、感想を寄せてくれる。多くのユーザーからコメントをもらったり、高い評価を集めてランキング上位に入れば、新作の創作意欲も旺盛にわいてくるはず。
ゲームを作るためのすべての環境が整った創作コミュニティ「KEROCKETS」なら、ゲーム製作初心者でも、今すぐゲームクリエイターになれる。さっそく「KEROCKETS」を始めてみよう。