実験! ルータの違いでインターネットの回線速度は変化する?
どんなに速いダウンロードツールを使っても、ネット自体が遅ければ元も子もない。有線LANに比べて低速で不安定な無線LANを使っている場合は特に高速な機器選びが必須だ。電波干渉に強く高速な「IEEE802.11n」という規格に対応した無線LANルータを集めてネットの速度を比較してみた。
比較したのはバッファローの「WZR-AGL300NH」、コレガの「CGWLBARGNH」、PLANEXの「MZK-W300NAG」の3機種。測定項目は大きく2つ。インターネットの接続速度とLAN内の速度だ。ネットの速度では有線と無線を比較し、LAN内の速度では隣の部屋と遠く離れた部屋で測定を行った。
■ 実力伯仲の無線ルータ勝負!
ネットの速度の測定には「ブロードバンドスピードテスト」を利用し、10回テストして平均値を出した
無線LANでの転送速度はコマンド入力式のツールを使って測定し、10回テストして平均値を出した
■ 無線ルータ転送速度対決!
製品名 | ネット接続(有線) | ネット接続(無線) | 無線LAN(隣室) | 無線LAN(遠い部屋) |
---|---|---|---|---|
WZR-AGL300NH(バッファロー) | 5.3Mbps | 5.0Mbps | 68.5Mbps | 21.8Mbps |
CGWLBARGNH(コレガ) | 5.2Mbps | 4.9Mbps | 70.5Mbps | 24.5Mbps |
MZK-W300NAG(PLANEX) | 5.2Mbps | 4.8Mbps | 65.3Mbps | 19.5Mbps |
ネット速度はどの機種もほとんど変わらず、有線と無線の差もほとんど出なかった。性能的にどれも同じということは、どれを買ってもいいということ。一番安価なモデルを選べば十分かもしれない。またLAN内の計測では、わずかな差ではあるがコレガの「CGWLBARGNH」がトップとなった。特にルータから遠い場所での速度が優秀だった。自宅で複数のパソコンを利用する場合はLAN内の速度を考慮したモデルを選ぶといいだろう。
わずかな差でトップとなったのがコレガの「CG-WLBARGNH」だ。ルータから遠く離れた場所での無線LAN速度がほかのものより速
かった
■ LAN内の巨大ファイル置き場NASのファイル転送速度をチェック!
LAN内のパソコンで同じファイルを共有するときには「NAS」と呼ばれるネットワーク上に配置できるハードディスクが便利だが、通常のハードディスクに比べて遅いと言われている。どのくらいの速度が出せるのか調査してみたぞ。
バッファローの「LS-CL」とアイ・オー・データの「HDL-GS」、さらに自分で内部のハードディスクを入れ替えられる「玄箱HG」を使い、340Mバイトの巨大ファイルと615個の大量ファイルの転送速度を調査した。
バッファロー製品では「LS-C500L」というモデルを使用した。NASへのコピーは速いがNASからパソコンへのコピーではアイ・オー・データの製品に負けてしまった
アイ・オー・データの製品は「HDL-GS500」というモデルを使用。こちらは逆にNASからのコピーに強かった
■ NASファイル転送速度比較
メーカー | 単一ファイル | 複数ファイル | ||
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パソコンからNAS | NASからパソコン | パソコンからNAS | NASからパソコン | |
WZR-AGL300NH | 32.8秒 | 19.2秒 | 38.5秒 | 37.0秒 |
HDL-GS500 | 41.9秒 | 17.9秒 | 55.5秒 | 29.2秒 |
玄箱HG | 36.7秒 | 29.1秒 | 41.8秒 | 38.2秒 |
結果はパソコンからNASへのコピーはバッファロー製が、NASからパソコンへのコピーはアイ・オー・データ製が速いということになった。パソコンのファイルをバックアップするならアイ・オー・データ製、NASにあるファイルを開くことが多いならバッファロー製を使うといいかもしれない。
■ ジャンボフレームでもっと速くなる
今回使用したNASの1つバッファローのLS-C500Lはデータ送受信のサイズを大きくして高速な転送が行える「ジャンボフレーム」という規格に対応している。パソコンのLANカードやハブがすべてジャンボフレームに対応していれば、さらに速度を向上させることが可能だ。