匿名SocksプロクシTorを簡単に使えるVidalia
「Tor」とは、P2Pの匿名Socksプロクシシステム……と書いても意味不明気味なので端的に説明すると、以下のような特徴を持ったプロクシだ。
1.「串が折れる(使用不能になる)」といった問題が生じず、一度設定すれば永久に使える匿名串
2.一定時間毎に見かけのIPアドレスが変わるため「常に同じ串を使っているので自作自演がバレバレ」といった問題が生じない
3.ブラウザに限らず、Socks串に対応したアプリケーションならどれででも使える
ネットランナーでも2005年2月号でTorを紹介したが、当時Torネットワークを使うには、比較的操作が分かりにくいツールを複数、手動で設定ファイルを書き換えながら組み合わせる必要があり、あまり初心者向けとは言えなかった。しかしVidaliaを使えば簡単。インストールするだけで、Torを使った匿名ネットをガリガリに利用できるぞ。
Vidaliaを作者のページからダウンロードしてインストール。Windows用のBundle版を落とそう。「Bundle」は「Vidalia本体だけでなくTorクライアントや補助ツールPrivoxyも一緒にインストール」の意味。
インストールが終わったらIEの「ツール」「インターネットオプション」の「接続」タブでプロクシ設定を行う。localhostのポート8118。
タスクトレイの、タマネギデザインなVidaliaアイコンを右クリックし「Start」。これでIEにTorがセットされ匿名ブラウジングができるようになる。試しに「確認くん」にアクセスして「現在接続している場所」を確認してみよう。
タスクトレイアイコン右クリック「View Network」でTorネットワークを世界地図上に表示する機能も搭載されている。
Vidaliaを使ったTorによる匿名ブラウジングに必要なのはここまで。以下は補足的な説明なので興味のある方向け。
タスクトレイアイコン右クリック「Configure」の「Advanced」タブでTorのポート設定を確認。メッセンジャーやファイル共有ツールなどのSocks設定を変更すれば、ブラウザ以外のツールをTor経由で利用することもできる。
そもそも、一般的に「串」と言われているのは、「HTTPプロクシ」という、HTTP用、つまりブラウザ用のプロクシ。それに対してTorは、「Socks」という、ブラウザに限らずあらゆるツールで使える汎用プロクシ。上記のようにブラウザをTor経由で動かす場合は、Tor → (Vidaliaで自動インストールされた)Privoxyというツール → IE、という接続を行うことで、本来SocksであるTorをHTTPプロクシであるかのように扱っている。それぞれのアドレス(ポート番号)は、Privoxyは「localhist:8118」でTorが「localhost:確認した数字」。従って、
ブラウザからTorを使う場合:「localhist:8118」を「HTTPプロクシ」にセット
他のツールからTorを使う場合:「localhost:確認した数字」を「Socksプロクシ」にセット
と、いうことになる。Socksは汎用プロクシであるので、もちろんブラウザでも使える、のだがブラウザではSocksよりHTTPプロクシを使った方が良い(ためPrivoxy経由でHTTPプロクシ扱いさせている)。「何故?」という疑問はWikipedia内「Tor」の「DNSの漏洩」を参考に。