10億円で落札されたドメインの最高峰「sex.com」の秘密とは?

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10月22日、Sedoが主催するドメインオークションで、世界中の関係者の注目を集めるドメイン名の持ち主が決まった。約10億5500万円という破格の値が付けられたそのドメイン名は「sex.com」。この世でもっともいかがわしく、魅力的なドメイン名を巡る物語を紹介しよう。

ドメイン名の最高峰とは何だろうか。ドメインオークションでの最高落札価格なら、今後も破格のドメイン名は現れ続けるだろう。だが、名前のインパクトと物語性において、最高峰と呼ぶにふさわしいのは「sex.com」だ。
今年7月、ドメインオークションに出品された「sex.com」は、約10億5500万円という高額で落札された。だが、「sex.com」がそこに至るまでに辿った道のりは、決して平坦ではない。

最初に「sex.com」を手に入れたのは、世界最大の出会い系サイト「Match.com」を設立した起業家ゲーリー・クレメン。1994年のことである。それに目を付けた稀代の詐欺師スティーブン・コーエンは、偽装メールと偽装FAXを駆使して「sex.com」の名義を書き換え、所有権を盗み取った。
すぐに裁判に訴え出たクレメンだったが、それに対してコーエンも応戦。1995年に始まった裁判は2000年、クレメンの勝利で決着するが、その5年の間に、コーエンが「sex.com」で運営していたポルノサイトは、1億ドル(約92億円)もの利益を上げたとされている。
やっとの思いで「sex.com」を取り戻したクレメンは、2006年に米国企業エスコムに1400万ドル(約12億8000万円)で売却。エスコムは「sex.com」で革新的なサービスを始めると発表し、クレメン自身もその顧問の座に就いた。
しかし、フタを開けてみれば新生「sex.com」は凡庸なアダルトサイトでしかなく、エスコムの破綻に伴い再び持ち主を失い、今年7月、新たな所有者を求めてオークションにかけられるに至ったというワケだ。

世に出てからの15年間というもの、「sex.com」は巨額の裁判費用、損害賠償金、落札金を飲み込みながら、そのドメイン名の持ち主は転々としている。だがそれでも「sex.com」を「黄金のなる木」とみなし、それに巨額の投資をしようとする者は後を絶たない。
今回オークションに手を上げたのは10社。巨額のオークションに対してこれほどの会社が手を上げるのだから、今も「sex.com」が持つ魅力に対する評価は絶大なことが伺える。その中でオークションを勝ち抜き、新たに「sex.com」の所有者となったクローバー・ホールディングスは、一体どれぐらいの利益を上げるのか。そして、この宿命のドメイン名にどんな歴史を刻むのだろうか。

このように、ドメインとは単にURLの一部分というだけではなく、巨万の富を築き上げる足掛かりになり、さらにはそれを巡ってドラマチックな物語の主人公となることもある。「sex.com」に限らず、持ち主の間を転々とするドメインには、そのに携わった人々の想いが凝縮しているのだ。

日本では、「sex.com」ほど規模は大きくないが、国内最大級のドメイン登録サービス「お名前.com」にて毎月月初の"5日間限定"でドメインオークションを開催している。ここにも巨万の富を築き上げる足掛かりとなるドメイン名、長い年月から物語を持っているドメイン名がスポットライトを浴びている。

ちなみに、10月に開催されたドメインオークションで、高い値段が付けられたドメインは次の3つだ。






















 ドメイン名  落札価格  入札数 
p-netbanking.jp5万9100円73
cot.jp2万2300円16
loveplus.jp2万1100円21


今回一番人気となった「p-netbanking.jp」は、最近までブログランキングサイトが開設されていたドメイン。サービスは終了しオークションへの出品となったが、熾烈な入札合戦が繰り広げられ、終了時刻を1時間以上もオーバー。落札価格も最終的には5万9100円まで跳ね上がった。
「sex.com」と同様、「p-netbanking.jp」も新しい持ち主の手に渡ったことで、いずれ新サイトが開設されるだろう。ドメインは単に「インターネット上の住所」というだけではなく、人から人へと受け継がれてゆく「資産」でもあるのだ。

■ 「p-netbanking.jp」を巡って熾烈な入札合戦が展開

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お名前.com」のドメインオークションは、毎月1日から5日まで開催されている。開催中はお名前.comのトップページにバナーが表示される。クリックして覗いてみよう

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オークションに発展した人気ドメイン名の一覧が表示される。オークションの期間中はリアルタイムで入札が行われており、価格は常に変動している。ここから入札数と価格をチェックして注目を集めているドメインを探してみよう

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10月のオークションで一番人気だったのが「p-netbanking.jp」というドメイン。以前はブログランキングサイトが所有していたドメインだ

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オークションは毎月5日の17時で終了だが、直前に入札があった場合は延長され、入札がなくなるまで続けられる。「p-netbanking.jp」では18時を過ぎても入札が終わらない白熱した競り合いとなった

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今回のオークションでもう1つ面白かったのが、3番目の高値を付けた「loveplus.jp」。コアなファンを大量に抱えた人気ゲーム「ラブプラス」を意識したドメイン名なのは明らか。ファンサイトや攻略サイトを作るのだろうか


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今月は「train-travel.jp」「cafe-music.jp」「eco-system.jp」など、テーマを想像しやすいドメインが多数オークションに出ている。文字列でテーマが想像しやすいと、「どんなサイトにしていくか」「どんなサイトだと思われるか」という点で想像しやすいので、入札するドメイン名の選定がしやすいぞ

普段、ほとんど気にも留めずにクリックしているアドレスのドメイン名にも、奥深いドラマが隠されていることがお分かりいただけただろうか。ドメイン名は、インターネットにおける成功の条件の1つであり、巨万の富を築く鍵にもなる。それゆえ、ときには人間の業があらわになることもあるが、それもまた、ドメインの大きな魅力の1つである。
お名前.com」のドメインオークションでは、毎月、多くの人々が夢と欲望に突き動かされてドメイン名に高値を付けている。この記事を読んでドメインの世界に魅力を感じたなら、ぜひ「お名前.com」のドメインオークション参加してみてもらいたい。そこでは、新しいドラマと野望が君を待ち受けているはずだ!

前回の記事:欲しいドメイン名の申請予約ができる「バックオーダー」を活用しよう


2010年11月06日 14時06分
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