共感と横行するデマ…Twitterでハイチは救えなかったのか
Twitterがネットに新しいジャーナリズムをもたらすという議論がある。確かにある一面においてはそうかもしれない。だが、先日のハイチ地震に関しては、Twitterがもたらしたのは役に立たない膨大なつぶやきと、デマによる混乱だったようだ。
NewsWeekがハイチ震災とTwitterを論じた記事を公開している。それによると、ハイチの大地震はTwitterでさかんに言及されたものの、内容の大半が共感と関連URLへのリンクで、善意による救援運動も行われたが、同じ分だけデマの流布を招く結果となった。また、Twitterで刻々と伝えられる現地の悲惨な状況も、結局はその後新聞やテレビで伝えられる報道の単なる速報でしかなかったとしている。
確かに今回の震災でTwitteは、昨年のイラン騒乱のときのような目覚しい成果を挙げることができなかったかもしれない。だが、それをもってTwitter、ひいてはリアルタイムウェブの限界を指摘するのは早計だろう。事件の種類によっては「単なる現地速報」が大きな意味を持つ場合もあるし、流通する膨大な情報の整理は今後Twitterとその連携サービスが取り組もうとしている大きな目標の1つだ。
Twitterには混沌とした感情のエネルギーが渦巻いている。今後いかにそれを有効に束ねていくか、仕組みづくりは始まったばかりだ。
2010年02月19日 23時34分