MP3は320kbpsならWAVと変わらない?クラブDJのMP3是非論
パソコンを使ってDJをするデジタルDJが増えているが、デジタルDJがクラブでMP3を流すのは是か非かで議論になっている。確かにMP3は元のWAVEからデータをそぎ落としているため、音質が劣化しているのは間違いないが……?
最近のクラブではDJソフトを使うデジタルDJが増加中だが、リミキサーの第一人者として知られるDub Master X氏が自身のブログで「大音量でMP3を流すと明らかに音が悪いので、クラブDJはWAVE形式かAIFF形式を使うべき」という内容の記事「ご家庭レベルならいいんだけどね」をアップし、話題を呼んだ。
ところが、実際にMP3形式とWAVE形式の音をクラブで聴き比べてみたところ、全く違いが分からなかったという報告が「FLYING COW - DJ Q'HEY blog」に公開され、クラブ的にMP3はアリなのかナシなのか議論になっている。
MP3は、WAVEのデータを削ることでサイズを圧縮しているため、音質が劣化しているのは間違いない。しかし「FLYING COW - DJ Q'HEY blog」によれば、320KbpsでエンコードしたMP3はクラブの音響設備を使ってもWAVEとの違いは全く分からなかったとのこと。これは実験に立ち合ったスタッフやDJたちも同意見だったそうだ。
もっとも、この実験はMP3の最高音質である320Kbpsでのみ行われている。MP3の多くは128kbpsか192kbpsでエンコードされており、これらは家庭用の音響機器でもじっくり聴けば分かる程度には音質が劣化しているので、クラブでの再生にふさわしくないのは間違いない。
大音量で流す音楽ファイルは、WAVEもしくはAIFFなどの非可逆圧縮、MP3の場合は320kbps限定というのがひとつの基準と言えそうだ。
・Dub Master X's Weblog:ご家庭レベルならいいんだけどね
・FLYING COW - DJ Q'HEY blog:検証:WAVと320kbps mp3はクラブで聴き分けられるのか!?