孤立・ニート・引きこもり…なぜ「ゆうすけ」はダメ人間なのか?
「ゆうすけ」はどこにでもあるごく一般的な名前だが、2ちゃんねるのニュース速報板では、なぜか「ゆうすけ」はダメ人間の代名詞として使われている。親戚や友達にいたぶられ、さんざんな目に遭っている。「ゆうすけ」という名前には、何か秘密があるのだろうか?
2ちゃんねるニュース速報板では、ボッチ(クラスで友達がいない人)やニート、引きこもり、無職を半ば自虐的に中傷するスレッドがに立てられているが、そういったスレタイやコピペにはなぜか「ゆうすけ」という名前が使われるのが慣例となっている。
例を挙げるなら、「先生「ゆうすけ君があまっているので誰か班にいれてあげなさい」」、「「おい、ゆうすけ!親戚の人に挨拶くらいしろ!」」、「親戚の叔父さん「ゆうすけ君はいつになったら結婚するんだい?」」などなど。クラスで友達の輪に入れない「ゆうすけ」。引きこもりなので恥ずかしくて親戚に顔向けできない「ゆうすけ」。将来について叔父に説教される「ゆうすけ」……。
このように悪い意味で大人気の「ゆうすけ」だが、実は日本に「ゆうすけ」という名前はそれほど多くない。同姓同名辞典によれば、「ゆうすけ」の中でも最も多い「祐介」でも全国での順位は2058位。似た系統の「ゆう」「ゆうき」「ゆうた」と比べても「ゆうすけ」という名前は圧倒的に数が少ないのだ。
ここに興味深いデータがある。明治安田生命が毎年調査している新生児の名前ランキングだ。「ゆうすけ」は基本的にランク外だが、唯一トップ10入りしているのが1984年(昭和59年)。この年、「祐介」は常連の「雄太」や「優」を上回り、初めて第6位にランクインしている。
1984年生まれといえば現在25歳。コピペで想定されている年齢(30代中盤)とはズレがあるものの、「氷河期世代」や「ロストジェネレーション」と呼ばれる1970年~1984年生まれにはギリギリ含まれている。つまり、「ゆうすけ」が最も多い今の25歳は、90年代から続いた不景気の影響を受けた最後の世代でもあるのだ。
ニュース速報板で徹底的にイジメ抜かれている「ゆうすけ」には、翌年の景気の雪解けを待てなかった 「最後の氷河期世代」の怨念が込められているのかもしれない。
■ 「ゆうすけ」がいったい何をしたというのか……
どこの班にも入れてもらえない仲間はずれの「ゆうすけ」。「小中学生時代が蘇って泣いた」「トラウマ蘇るからやめて」といったレスも多数
「ゆうすけを使うのをやめろ」という「ゆうすけ」と思われる一派からの書き込みもよくあるが、なぜか「ゆうすけ」以外の名前が使われることはほとんどない
最新の名前の読み方ランキングでは「ユウスケ」は50位内に入っていない。やはり「ゆうすけ」は特定の年代でのみ多い名前のようだ。不況の荒波を一身に引き受けた「ゆうすけ」世代に幸あれ!