グループチャットに追われる人の図
by Signal V. Noise.com

職場でのコミュニケーションにSkypeなどのチャットを用いているところも多いだろう。簡単に複数人とコミュニケーションを取ることができて、非常に手軽で便利なツールだ。しかし、忙しいときにピコピコとチャットのお知らせが出てくるのは、多くの人をイラつかせる。人と話し合う時間と、実際の作業時間は分けたいところだ。「Signal v. Noise」では、グループチャットが有益な場合とそうでない場合について以下のように述べている。

グループチャットのいいところは？

冒頭でけちょんけちょんにグループチャットを貶してしまったが、必要な場合に使えば、グループチャットは有用なコミュニケーションツールだ。例えば、サーバーダウンなどの緊急連絡はチャットで素早く情報共有したほうがいいだろうし、パッと思いついたアイディアを忘れないうちに文字や画像だけアップだけしておく、というのもいいだろう。また、グループチャットで冗談を言い合う、というのも良い使い方だ。仕事中にもある程度のおふざけは必要だろう。グループチャットを通したやり取りによって帰属意識が生まれ、連帯感が深まっていく。

じゃあ、問題点は？

しかし、すべてのコミュニケーションをグループチャットで済ませてしまうのは良くない。いつでもチャットのお知らせがピコピコ出てくるのは非常に鬱陶しく、神経に障る。しかも自分に関係ない投稿なことも多いので、本当に必要な情報がどうでもいい情報の中に埋もれてしまう、なんてこともあるのだ。流れに取り残されないためにいつどんな時もチャットを見ていないと不安でたまらない人も出てくるが、同時に「はい、未読テキストが大量にありますけど、何か？」状態になってくる人もいる。グループチャットにおける未読25件は、Eメールにおける未読1件と同じだ。未読が何十件あっても、大した問題ではない。そんな風に見逃される情報も多いのだが、「チャットで共有したのだから、みんなもうわかっているはずだ」という認識が生まれる。また、グループチャットで複数人と意見交換する際も「なるべく早く返事を書かなきゃ！」という焦燥感に駆られるし、自分が意見を書いている間に話がどんどん横道に逸れている、なんて場合もある。グループチャットではみんな好き勝手色んなことを投稿できてしまうので、「この話をしましょうね！」という主題を設定するのが大変なのだ。グループチャットを常時オンラインにしていると集中力を持続させることが難しくなるが、パフォーマンスの高い仕事の遂行には、集中力がモノを言う。「コミュニケーションの手段がグループチャット一択」となると、企業の生産性も下がりかねない。

そうしたら、どうしたらいいの？

解決法は簡単だ。グループチャットをコミュニケーションのメインツールとして用いなければ良い。グループチャットは、スーパー銭湯にあるサウナのようなものだーー入りたければ入ればいいし、出たければ出ればいい。そんな位置付けであるべきだ。そうすることで、みんなの心に余裕が生まれる。チャットだと即答を求めがちだが、相手の都合に合わせた納期を設定することも大切だ。「すぐに返事が返ってくることを期待しない」ことで、みんなのチャット疲れを軽減することができるだろう。
多くの部下や従業員にリーチできるため、頻繁にグループチャットに投稿する上役も多いかもしれないが、そのせいで疲弊している従業員が多数いるかもしれない。チャットに気を取られて手持ちの仕事を終えられず、長時間の残業をしている社員がいるかもしれない。グループチャットは気軽なツールであるが、気軽さゆえに他人に与える影響についても考えていく必要がある。

グループチャットは、この記事で述べられているように、コミュニケーションの補助的なツールとして使用するのがいいだろう。個人的な経験からしても、集中して作業しているときにSkypeでぽんぽん話しかけられると、その時の気分によっては憎悪すら抱き始めるので、この記事の内容には賛成だ。なまじ便利であるためについつい考えずに使ってしまいがちだが、「意見交換をする時間」と「自分の作業をキッチリやる時間」と分けてメリハリをつけた働き方をしたほうが、生産性が高いのではないだろうか。

出典元：
Is group chat making you sweat? / Signal V. Noise
https://m.signalvnoise.com/is-group-chat-making-you-sweat-744659addf7d?_utm_source=1-2-2#.yd7ny6ayn